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ランニングなどのスポーツに最適! 骨伝導イヤホン『AfterShokuz Aeropex』のレビュー

今回は、ランニングに使用する目的で多くのワイヤレスイヤホンを比較したうえで、最終的にAfterShokz(アフターショックス)の最上位モデル『Aeropex(エアロぺクス)』を購入しましたので、他の骨伝導イヤホンとの比較や使用感などをお伝えしていきます。

 

なぜランニングに骨伝導がおすすめか?

前回の記事『ランニングに最適なワイヤレスイヤホン14選』ということで、予算2万円以内でワイヤレスイヤホンを検討してきました。ちなみに前回の記事はこちらです。

kodawari-item.hatenablog.jp

ランニングという特殊な環境においては、事故防止の観点から周囲の環境音が聞こえなくなる状況は回避したいわけです。

そういった条件でイヤホンを検討したプロセスにおいて、骨伝導という選択肢が浮上してきました。

骨伝導イヤホンは、物理的に耳穴がいつも通り開かれた状態で音楽が聴ける点で、他のイヤホンとは前提が異なります。

例えば、最近では外音取り込み機能が多くのワイヤレスイヤホンで採用されており、特にアップルのAirpods Proの外音取り込み機能は非常に高評価を得ております。実際に私も聞きましたが、確かに自然に近い取り込みが実現されています。ただ、外音取り込み機能は、Airpods Proでさえあくまで『自然に近い』わけであり『自然そのもの』に聴こえるわけではありません。この差は小さいようで大きいように感じています。

例えば、ランニングにおいては、ウェアの『シャカシャカ音』が過剰に聴こえてしまいます。それからホワイトノイズも聴こえないわけではありません。

ランニングでは様々なシチュエーションが想定されますが、例えば静かな環境下で後ろから別のランナーが追い抜いてくる状況が考えられます。こういった状況であればAirpods Proでも聞き取れる可能性は高いです。

しかし、自身で聴いている音楽も含め、付近を通行する自動車など多少ザワついている環境下で後ろからランナーや自転車が追い抜こうとしていることに気付けるかというと正直何とも言えません。『Airpods Pro』の外音取り込み機能は優秀ですが、微小な音も聞き取れてしまい(例えば、ウェアのシャカシャカ音が不自然に大きく聴こえる場合があるなど)、かえって煩わしく感じることがあります。

一方で、今回ご紹介するアフターショックスを含め骨伝導イヤホンは、100%自然に外部音が取り込めます。周囲の環境をいつも通り把握でき、そのうえで音楽を聴くというスタイルになります。

ランニングも含め、サイクリングなど多くの歩行者や自動車や行き交うなかでのスポーツには交通事故などのリスクが伴います。これは、実際に事故に至らなかったとしても、多くの方が経験しているのではないでしょうか?

決して、『Airpods Pro』を含め、ワイヤレスイヤホンを批判しているわけではありません。ただ、ランニングの環境は千差万別であり、同じコースであっても日々変わるものです。もし音楽を聴きながらのランニングに少なからず危険を感じており、イヤホンの買い替えを検討しているのであれば、骨伝導という選択肢も検討する余地は十分にあると感じています。

 

他の骨伝導イヤホンとの比較

今回は、下記の4つの骨伝導イヤホンを試着して比較しました。

ソニー SBH82D

・boco PEACE TW-1

・boco FIT BT-1

・Aftershokz Aeropex

 

ソニー SBH82D

ソニー SBH82D』は骨伝導ではなく音導管設計という言い方をしておりますが、周囲の音を聞くために耳穴を塞がないという点では同じです。

今回ご紹介する商品のなかではもっとも安価なイヤホンになります。

あくまで素人目線ですが、音質は可もなく不可もなくといった印象です(※本商品に限らず、骨伝導イヤホンの音質は、通常のイヤホンに比べると劣ります。特に低音はカスカスな感じです)。

他の商品と比べて気になったのが3点あります。1点目は装着感が強いことです。例えば他の骨伝導イヤホンは耳穴の開放感がありますが、ソニーは他の一般的なイヤホンのような装着感があります。2点目は安定感に不安があることです。ランニングなどスポーツの際に落下したり、ズレたりするのではないかと心配です。実際に落下やズレが生じるかはケースバイケースですが、少なくとも心配な気持ちになるレベルであり、安定感に欠ける印象があります。3点目に防水機能がないことです。ランニングなどスポーツでの使用を想定すると、やはり防水機能は欲しいところです。

 

boco PEACE TW-1

骨伝導イヤホンで唯一の完全ワイヤレス(完全独立型)になります(2020年12月時点)。イヤホンの重量は左右各約9.0gと軽量で、今回比較したなかでは最も装着のストレスは少ないように感じました。私自身はランニング時の落下の心配もないように思います。気になる音質ですが、今回比較したなかで最も軽い印象があります。高音・中音についても重みがなく、個人的には少し物足りない感じがしました。それから、音量を少し大きくすると、骨伝導特有のビリビリを感じるのが気になるところです。IPX7等級の防水機能を備えます。

 

boco FIT BT-1

先ほどの『boco PEACE TW-1』の後に視聴しましたが、全体的に音質がしっかり伝わってきます。骨伝導という前提を踏まえると納得できる音質のように感じます。音楽を聴くのも良いですが、ポッドキャストやラジオなどの音声をメインとした場合の聞き心地は良好です。次にご紹介します『Aftershokz Aeropex』に比べると、よく言えば強いフィット感、悪く言えば装着感が強いため違和感があります。IPX7等級の防水機能を備えます。

 

Aftershokz Aeropex

今回ご紹介したなかで、もっとも装着感・開放感が良好でした。26gと軽量なので重さを感じることはなく、耳元を少し押されているような感じがしますが、すぐに慣れるレベルです。また、音質も骨伝導ということを踏まえれば期待以上であり、個人的には『boco PEACE TW-1』よりも良好に感じます。防塵防水はIP67です。

私は、結果的にAeropexを購入しましたが、実際に使用してみて残念な点もありましたので、下記にデメリットとして整理しました。

 

Aeropex(エアロぺクス)のデメリット

Aeropex(エアロぺクス)をランニングでの使用を目的に購入したことは総合的に見て非常に満足していますが、デメリットとして、iOSとの相性はあまり良くないと感じます。iPhoneApple Watchとのペアリングはすんなりできますが、例えば、ランニング中に音楽からポッドキャストに切り替えるといったアプリの切り替えを行うと、音声が聴こえなくなります。別の例だと、YouTubeを見た後にアップルミュージックを聴こうする場合は、一度Aeropexの電源をオフにして再起動しないと聴こえません。もしかすると、このような事象が起こるのは私だけかもしれませんが、少なくとも他のイヤホンデバイスではこれまで経験したことがなかったので、非常に面倒に感じます。

デメリットの2点目として、寝ながらの使用が難しいことが挙げられます。Aeropexのサイズ展開は1種類しかなく、後頭部側のフレームの調整をすることができません。私の場合は、後頭部とフレームの間に2~3cmの隙間ができます。よって、Aeropexを装着したまま枕に頭を沈めることは不可能です。フレームを上下にズラして寝ることも試みましたが、かなり違和感があり耐えられないレベルです。ということで、ゴロゴロしながらの使用には向きません。

デメリットの3点目として、ネックウォーマーとの併用が難しいことが挙げられます。ネックウォーマーで純粋に首だけを覆うなら問題ありませんが、コロナ禍に加え、冬の寒いシーズンとなると、口元や耳など顔面を覆うような使い方をしたいこともあります。しかし、Aeropexの上にネックウォーマーを装着すると、Aeropexに圧がかかってしまい耳に機器が当たり痛くなります。これには、かなりのストレスを感じましたが、物理的に解決ができませんので、結果的にAirpos Proを買ってしまいました(たまたまコストコで格安で売っていたため)。

ネックフォーマーなどAeropexが他のモノと干渉することが想定される場合は、Aeropexの使用はおすすめできません。

 

骨伝導イヤホンは使用場所が大きく影響する

骨伝導イヤホン全般に言えることですが、耳穴が開放されており、周囲の環境音が聞こえるのが前提で、そのうえに音楽が乗ってくるという感覚が強いです。

つまりは、安全第一・事故防止の観点では申し分ありません。

ただ、幹線道路など交通量の多い環境でのランニングで使用には注意が必要です。周囲が騒々しいと、イヤホンの音量もそれなりに上げないと聞こえづらくなります。音楽を聴きながらのランニングであればまだマシですが、ポッドキャストなど音声をメインに聞くとなると、大型トラックのアイドリングの音には負けてしまいます。交通量の多い環境下ではイヤホン自体の音量も相応に上げる必要があるという点は押さえておいてください。

ただ、このように周囲の音がストレートに耳に入ってくるというのはデメリットのようにも感じますが、例えば、日常的な使い方として、家族と団らんしながらでの使用でもまったく会話に支障がありませんので、使い方によっては非常に重宝します。

最後になりますが、骨伝導イヤホンにしたからといって安全が保障されるものではなく、それぞれ個人が周囲の環境に十分に配慮することが必要です。ぜひ安全第一にランニングを楽しんでください。

また機会があれば、サイクリングでの使用も試してみたいと思っていますので、後日記事にする予定です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。